
geralt / Pixabay
皆さまこんにちは!
このサイトの管理者のHide(ヒデ)と申します。
これまでのブログの中でIPアドレスのお話を少しさせて頂きました。IPアドレスはパソコンなどのネットワーク機器に付与される固有の番号のことでしたね。
今回は、動的IPアドレスと固定IPアドレスについてのお話になります。
Contents
動的IPアドレス / 固定IPアドレスとは?
動的IPアドレスと固定IPアドレスという言葉ですが、単に動的IPまたは固定IPと言ったりします。この2つの言葉ですが、IPアドレスがどのような方法で設定されたかを表しています。
「ネットワーク入門 その1」でも出てきましたが、下図は家庭やSOHOなどでよく見かけるネットワークの形になります。今回のブログでは、IPアドレスの設定方法(割り当てられ方)に着目した図にしてみました。(本ブログの図はフリー素材:openclipartを使用して作成しています。)
ルーターにおける動的IPと固定IPについて
初めに、ルーターのIPアドレスについてです。ルーターはWAN側(インターネット側)とLAN側(家庭内や企業内)の2つのIPアドレスを持っています。
まず、ルーターのLAN側のIPアドレスですが、LAN側にあるルーターやサーバーといった特定の役割を持つネットワーク機器には、IPアドレスは自動で設定せずに手動で設定します。(固定IP)
ルーターのWAN側のIPアドレスについては、通常はプロバイダから動的に割り当てられるのですが、このIPアドレスは変わることがあります(動的IP)。また、一部の企業や個人などではセキュリティ設定をした上で外部の利用者にLAN側のサーバーを公開しているようなケースがあり、この場合、プロバイダに固定IPアドレスのサービスを申し込んで固定IPで運用しています。なぜWAN側のIPアドレスを固定にするかというと、インターネットの利用者が専用ソフト(例:FTPソフト等)を使ってその企業のサーバーとデータを送受信する場合、接続先としてルーターのWAN側IPアドレスを指定するのですが、これが毎回変わってしまうと不便だからです。
パソコンにおける動的IPと固定IPについて
次に、パソコンのIPアドレスに注目してみます。家庭や企業内で利用するLAN内の(インターネットから見て内側の)パソコンやネットワーク機器のIPアドレスは、通常下記のどちらかの方法で設定されています。
方法その1:ルーターのDHCPサーバーという機能を使って自動で(動的に)設定する方法
方法その2:人の手で手動で(固定的に)設定する方法
方法その1で設定されたIPアドレスを「動的IP」、方法その2で設定されたIPアドレスを「固定IP」と言います。
家庭などでは、一般的に方法その1による動的IPのケースが利用されていますが、企業の場合は、ネットワークの保守やセキュリティについての考え方により異なるようです。ルーターの設定でDHCPの機能のONとOFFが選べますので例えばこの機能をOFFにした場合は、IPアドレスを手動で設定する必要があります。
ここまでで、動的IPと固定IPについて簡単に見てきました。なんとなく違いについてご理解頂けたでしょうか?
ここからは、みなさんの利用しているパソコンが動的IPを利用しているのか、固定のIPを利用しているのか調べる方法をお伝えしたいと思います。Windows10の画面の例でご説明します。
利用しているパソコンのIPアドレスが動的IPか固定IPか調べる方法
1. Windowsのスタートメニューを右クリックして「ネットワーク接続」をクリックします。
2. 下図のような画面が表示されますので左側の「イーサネット」をクリックした後、右側の「アダプターのオプションを変更する」をクリックします。
3. 下図のような画面が表示されます。この中で×マークが付いていない、つまり現在利用できるネットワークを確認します。私の環境ではWiFiが有効になっていて、有線のイーサネットは無効になっていることがわかります。
4. ここで有効なネットワーク(私の環境の場合はWiFi)を右クリックしてメニューから「プロパティ」をクリックします。
5. 下図のような画面が表示されますので画面から「インターネットプロトコルバージョン(TCP/IPv4)」という部分を左クリックして選択した後、「プロパティ」ボタンをクリックします。
6. すると下図の画面が表示されます。この画面で「IPアドレスを自動的に取得する」に設定されていれば、みなさんのパソコンは自動的に割り当てられているとわかります。手動で設定する場合は、「次のIPアドレスを使う」にチェックを入れて各項目を設定します。DNSサーバーに関する部分もこの設定に連動していますので、IPアドレスを手動で設定する場合はDNSサーバも手動で設定する必要があります。
設定が確認できましたら「キャンセル」をクリックしておいてください。
補足:DNSサーバーについて
これまで、ブログの中でIPアドレスという言葉が出てきましたが、これは4つの数字の組み合わせでしたね。例えばブラウザでインターネットのサイトを閲覧する際、本来、URL(アドレス)の欄にはIPアドレスを入れる必要があるのですが、数字だとわかりにくいことで、www.yahoo.co.jpのようにドメイン名と呼ばれる分りやすい文字列を利用するようになっています。私たちがwww.yahoo.co.jpと入力しても正しくホームページを表示できるのはこのDNSサーバーのおかげです。DNSサーバーは私たちがブラウザに入力したドメイン名をIPアドレスに変換してくれるサーバーです。この情報がないと閲覧したいサイトのサーバのIPアドレスがわからずホームページを表示できない事態となります。DNSサーバーの情報はご自宅でインターネットに加入されている場合、プロバイダから送付されてくる資料に書かれていますので興味のある方は確認してみてください。
まとめ
今回のブログでは、動的IPと固定IPというIPアドレスの割り当て方という視点で見てきました。WAN側、LAN側ともに動的IPと固定IPの考え方があります。もし会社などで動的IPと固定IPの話題が出た場合には、「WAN側とLAN側、どちらの話?」と確認するのが良いですね。
IPアドレスには色々な視点があるということがご理解頂ければ幸いです。
お疲れさまでした。
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